ヤンキーくんたちに溺愛されてます!

「…行く」



拗ねた様子でポップコーンを口に入れた心虹の頬がリスみたいに膨れていて、可愛くて思わず笑ってしまう。



「この映画ね、私が琥珀に貸したことある少女漫画の実写化なんだよ」


「…覚えてねぇよ。そんな昔のこと」



北斗くんを挟んでいるのに、美来さんと琥珀の会話が気になってしまい嫌でも耳に入ってくる。



琥珀はあんなに美来さんの話題を出すなと自分から言ってきたくせに、誘われたからって映画を観にきて普通に会話までするんだ…。


それは、昔も今も美来さんが“特別”だからなのかな。



モヤモヤとした気持ちを抱えたまま観た映画は、何も頭に入ってこなかった。



「うぅー泣けたね…。高校生っていいねぇ」



人目も気にせずにボロボロと泣いている美来さんに、周りの人がぎょっとしたように通り過ぎていく。