「…せっかく琥珀のために作ったプリン台無しにされた」


「悪かった。今度また作ってくれ」


「冷たくされて悲しかった」


「ごめんな」



同じように琥珀が腕を回して強く私を抱きしめてきた。


その温かい琥珀の体温にもっと涙が溢れてくる。



「…最初は、面白い女だと思ったんだ。初対面でビンタまでしてきて、かっこいい女だって。もっと星奈のことが知りたくなって、俺だけを見ていてほしくていつの間にか愛おしいと思っていたんだ。星奈、あの日の返事を聞かせろ」



そっと体を離した琥珀が真っ直ぐに私を見下ろしてきた。



「…私は琥珀が好き。大好き。だから、もう離れないでよ…」


「学校一強い女のくせに泣き虫だな。もう、絶対に離れねぇよ」