「以上だ。よく考えて一票を入れろ」


「え、どういうこと…?一番強いやつがトップじゃねぇの?」


「なんか生ぬるくね…?」


「俺ずっと神王祭の日を楽しみにしてたのにー…」



琥珀が去っていった後もあちこちから戸惑いの声が聞こえてくる。



「なんでみんながっかりしてるの?」


「そりゃ喧嘩が日常のヤンキーたちにとって、ここで一番強い力を見せつけてトップになることは憧れだからね。でも力なんて関係ないって言われたら、やる気もなくなるんじゃないのかな」


「へぇ、角刈りも?」



前にいた角刈りの頭をぺしぺしと叩いて聞く。



「まあこの日のために力つけてきたからなー…。喧嘩の強さ以外でどうやってトップを選べばいいかもわかんねぇし」