「おい、男女！学校来んなよ気持ちわりぃ」



俺は女みたいな容姿から小学生の頃よくからかわれていた。



「う、うわーん！男女に殴られたぁ」


「ちょっと榊くん！何してるの！」



その度に相手を殴り、先生や親からはいつも怒られていた。



弱いやつは嫌いだ。


力がないから平気で人を言葉で傷つけてきて、都合が悪くなると泣いて周りに助けを求める。


そんな弱いやつらが大嫌いだった。



「…世那ってさ、好きな女の子とかできたことある？」



俺が唯一嫌いだと思わない二人のうちの一人である、この学校のNo.2の北斗が何気ない顔で昼飯を食いながらそう聞いてきた。