「…ごめん!!」
慶人君はバッと頭を下げた。
「騙したりするつもりじゃなかった! でも、結果的にそうなって…本当にごめん!」
「でも、アニメのことよく知ってたよね…? グッズは? わざわざ買ってくれてたの?」
「アニメはちゃんと見たよ。 グッズは…そう。 静香ちゃんが喜ぶかなって…。」
耳まで赤くなっている。
高校の時、クラスも違った私達の共通の話題は、同じだった委員会かアニメだった。けれどあれは、慶人君が頑張ってくれていたから、出来ていた?私のために?
きゅうっと心が締め付けられた。
慶人君がまさかそんなことをする人だとは思わなかったから。
私が慶人君を追いかけていたように、慶人君も私を追いかけてくれていたなんて思わなかった。あの頃の私が知ったら卒倒してしまうだろう。
「あー…! 僕、今、凄くカッコ悪い。」
慶人君の顔はまだ赤い。それを必死に腕で隠そうとしている。
「ごめん、本当に、今のはノーカウントにできないかな? いや、もう、本当に恥ずかし過ぎて、無理。」
私に告白してくれた時でさえ、飄々としていたのに。初めて見る、狼狽える慶人君がとても愛おしい。

