恋は揺らめぎの間に




泣きながら、いつの間にか眠っていたようだった。カーテンの隙間から差し込む光に目を醒ます。その眩しさから逃れようと身体を動かすと、強くなった慎司君のいい匂いに思考が一気に明るくなっていく。

私、昨日………。

徐々に昨晩のことを思い出す。遊園地から帰ってきてからのことを。慎司君と話したことを。あれからなかなか泣き止むことができず、過呼吸気味になってしまった私を、慎司君が優しく介抱してくれて、その際しがみついたまま眠ってしまったことを。

慎司君、もしかして一晩中…?

私を横抱きに抱えたまま、器用に眠る慎司君。私が動いたことで慎司君も目を覚ましたのだろう。切れ長の目に、意外にも長いまつ毛。ゆっくり開いた瞼から覗く深い黒の瞳に、泣き腫らして真っ赤に鳴った目をひた私の、不細工な顔が映し出された。



「おはよう静香。 具合、大丈夫?」

「うん、大丈夫。」

「よかった。」



目元に僅かに残る涙を親指で拭われる。



「おしぼり作ってくるから。」



待ってて、と離れていく慎司君。温かかったところに冷たい風がすっと入ってきて、無性に寂しさを感じた。