慶人君に連れてこられたのは、野外ステージのある広場だった。ピンクと白に彩られた広場には、しっとりとした音楽の生演奏に合わせて踊る人や、そばのお店で食事をとる人がいた。
慶人君は温かなコンソメスープを手に、ベンチに座る私の元へ帰ってきた。
「はい。」
「ありがとう。 んっ、これ美味しい!」
「あ、本当だ。」
「「どうやって作ってるのかな?」」
声が揃い、顔を見合わせる。ぷっと笑いがこみ上げてきた。
慶人君と同じことを考えていたなんて。
ひとしきり笑った後、滲んできた涙を拭っていると、慶人君がほっとしたような、申し訳ないような、複雑な顔で笑った。
「ごめんね。 一華ちゃん達とはこの後あのお店でちゃんと合流する予定だから。」
「ふふ。 大丈夫。 慶人君のことだから、色々考えてるんだろうなって…。 だから心配してないよ。 安心してます。」
「それは…なによりです。」
慶人君と二人、ぼーっとステージを眺める。ぽつりぽつり感想を言いながら、昼間とは違いとても穏やかな時間が流れていた。
「静香ちゃんに言われたこと、ずっと考えてたんだけど。」
「…うん。」
「今日ずっと静香ちゃんを見てて、やっぱ好きだなって思ったよ。」
まさかの返答に、慶人君を仰ぎ見る。すると慶人君もすごく優しい目でこちらを見ていてドキリとした。
「えっ、あの、その……」
「こうくるとは思わなかった?」
「お、思わなかった…。」
だって、慶人君だ。
男女共に人気があって。歩けば誰もが振り返る。ここに来るまでもそうだった。

