慶人君はうーん…と考え込む。次の講義がある教室まで一緒に来てくれた慶人君は、別れ際に私を引き止めた。
「静香ちゃんの言ったこと、よく考えてみるから。 また連絡してもいいかな? 今日は本当はこれに誘うつもりだったんだ。」
手渡されたのは、遊園地の優待券だった。
「一緒に行ってくれると嬉しい。」
何度か振り返りながら去る慶人君が、尻尾の項垂れた子犬のように見えた。その姿が見えなくなって、ようやく呼吸ができた気がする。ふぅ…と深く深く、息を吐いた。
……これで、よかったのかな?
正解はわからないけれど、少し自分の気持ちがわかった気がした。
なんだか、無性に慎司君に会いたいな。

