慎司君はあー…と言いながら、頭を掻く。言っていいものか、悪いものか、悩んでいるようだった。ちらっと私を見て、きまりが悪そうに小さな声でぼそっと呟く。
「ちょっと前に、告白された。」
しかしきっぱり断っていると、慎司君は間髪入れずに言った。
特に驚きはしない。やっぱりと思うだけだった。悲しみも怒りもないが、少しだけ不安に思う。慎司君を想う人が常に傍にいる。慎司君の気持ちが揺らぐわけではないとわかっていても…なんか嫌だった。
慎司君に寄りかかる。
好きな人のことを、好きな人がいる。それがこんなに心を乱すとは…自分がその立場になってみなければ、わからなかった。私が優柔不断だったばかりに、慎司君や慶人君は、こんな気持ちでいたのだろうか…。改めて、私は最低な女だったなと思うと同時に、慎司君に愛想を尽かされず、慶人君とも友達の関係が続いているのは奇跡だとも思う。
私は…恵まれている。
「教えてくれて、ありがとう。」
「好きなのは、静香だけだ。」
「私も……」
慎司君が好きだと言いかけて、ネックレスのことを聞こうと思っていたことを思い出し、あっ!と顔を上げた。思い出さなければ、そのまま雰囲気に流されて、唇を合わせていただろう慎司君の顎を、思い切り頭でぶつかり上げてしまった。私も痛かったが、顎を押さえて後ろに倒れそうになっている慎司君はもっと痛かっただろう。ごめんなさいと、慌てて腕を引いて起こす。
「本当にごめんねっ。 私、もっと聞きたいことがあったことを思い出して…!」
「何…?」
「このネックレスのこと!」
慎司君は首を傾げている。
「これ…この花のことなんだけど、これが何の花かわかってて、私にくれたの?」

