恋は揺らめぎの間に




「サプライズといえば、クラッカー?」

「良いシャンパンも買おうか。」



テスト終わり。慶人君と約束の買い出しにショッピングセンターに来ていた。旅行中に一華ちゃんと高橋君が誕生日を迎えるため、サプライズでお祝いする準備をしているのだ。



「イーリャ君も旅行来れたらよかったのにね。」



二人が付き合っているのを知ったのは、旅行計画を立て始めた後だった。そのため、僕は僕でお祝いするからと、イーリャ君は旅行には来ないようだ。



「牧瀬君はお休みとれたって?」

「うん。」



よかったねと言いながらクラッカーをはじめとするパーティーグッズをかごへ入れていると、後ろから声をかけられた。  




「あれ? 慎司の妹さんじゃない?」

「え?」

「あっ、覚えてない? 前に風邪引いた時かなんかに、ご飯持って行ったんだけど… いつもお兄さんにはお世話になってます! 嶋です!」



私はあっと思い出す。



「嶋さん…。」

「あっ! 覚えててくれたの!? 嬉し〜!」



あの勢い余って告白した日からしばらく聞くことのなかった名前に、言いようのない不安に駆られる。

どうしてこんなところで会うのだろう。
どうして声をかけてきたのだろう。

どうして、私を妹だと思っているのだろう…?