「しっ…えっ!? なんっ…!?」
まさかの返答に、上手く言葉を返せない。手を繋がれているせいで、赤くなる顔も隠すことも、距離をとることもできない。
してみる?
漫画のイチャイチャを?慎司君と?
抱き合って、見つめ合って、キスを繰り返すの?
身体を擦り寄せあって?
昼間のキスを思い出して、妙に生々しく想像してしまった。
「だ、だめ見ちゃ…! わ、私、今、絶対顔真っ赤だから…!」
慎司君から誘ってくれた嬉しさ。あの唇とまたキスできるかもしれないという期待。恥ずかしさ。そして戸惑い…。何一つ、隠せなかった。心が掻き乱されて、おかしくなってしまいそう。目には涙まで浮かんできていた。
甘ったるい視線。甘ったるい空気。
慎司君とこんなことになるなんて、思いもしなかった。慎司君は表情が乏しいなんて、どうしてみんな言うのだろう。
口に出さずとも、こんなにも私のことが好きだと、伝えてきてくれているのに。
目尻に溜まった涙を指で拭った慎司君の、少し荒い吐息を傍に感じる。
「お願い…見ないでっ…。」
熱い。全身が熱い。
クーラーが入っているのに、熱で跡形もなく溶けてしまいそうなほどに熱い。
高熱で意識が朦朧としている時と同じような感覚に襲われている。頭が真っ白になって、ただ楽な方向に行きたくなるあの感じ。身体が気持ちいいと感じる方へ、流されていく感じ。
慎司君も、同じだろうか…?
ぎゅ〜っと手を握り合い、探り合う。
慎司君の考えていることが知りたい。もっと知れたらいいのに。

