「それって……」
ねぇ…?と、三人は目を見合わせ、首を捻る。慶人君が前のめり気味に口を開く。
「デートは? どこかへ行ったりしないの?」
「いつも買い物に行くよ。」
「それ食材でしょう?」
一華ちゃんが盛大に溜め息をついた。
「付き合ってから、何か変わったことはないの?」
「特には…。 あっ、でも、今までも優しかったけど、一層優しくなったかな。」
慎司君が私を見る目が、とても優しくなった。ふんわりと、柔らかく笑うようになったのだ。その顔を思い出すだけで、胸がきゅっとなる。
「ただ、気になることもあって…。」
慎司君と心の距離は近づいたように思うが、物理的な距離は開いた気がするのだ。ちょっと触れ合ったり、ちょっと近づいたりができないでいた。そんなことがあれば慎司君はバッと私から離れていくのだ。
「だから、付き合ったらみんな何してるのかな〜って気になっちゃって。」
慶人君は頭を抱え、ぼそりと呟く。
「僕、諦めなくて良かったんじゃ…?」
「? 慶人君、今何て?」
周りが賑やかで、よく聞こえなかった。

