「え? 断っちゃったの?」
「うん。」
お昼休み。私はお弁当を持って、植物園へと移動していた。
「お弁当を作ってきてたから。 でも、一華ちゃんは食べてきていいよ?」
「静香が行かないのに私は行かないわよ。 私はついでに誘われただけだから。」
売店でお昼を買ってくるから先に植物園へ行くよう言われ、一人になる。新入生も入って、賑わう構内。そこを一人で歩くのは、なんだか不思議な感じがした。
慶人君には少し前に、お昼は一緒に食べることはできないとメッセージを送ってある。
赤羽先輩の言う通り、慶人君とは付き合わないと決めたのだから、慶人君は私が慎司君と付き合うまで諦めないと言ってくれたけれど、一緒にいるべきではないだろう。それに、一緒にいたら私は、私の揺るぎやすい決意は、心は、乱されてしまう。
先日手の甲にキスをされたことや、その前に何度もキスされたことを思い出して、顔が熱くなる。
あー…もうっ!
こういうのが、嫌なのだ。

