好きを教えて、生意気なきみ

「何してるの?」

「ん~…あ、あった」



そう言って、ロッカーからパーカーを出した。



それをあたしに投げる。



「陽鞠もう試合ないだろ? それ着てろ」

「えっ…ありがとう」



渚からパーカーを受け取ったあたしは、渚に心配してもらえてうれしい。



でも…。



じっとあたしを見てる渚。



「なに!?」

「早く着替えねえかなと思って」



あたしの着替えシーン見たいってこと!?



恥ずかしくて無理!



「そ、そっち向いてて…」

「やだ」



そう言って教室の席に座って脚を組んであたしの反応を楽しみ始めた。



もう~…恥ずかしいよ!



あたしは渚に近づいて、後ろから渚に目隠しをして、片手で着替え始めた。



「おーい、見たいんですけど」

「だ、だめ…」

「片手じゃ着替えにくいだろ」

「じゃあ目つぶっててよ!」

「分かったよ…」



ほ、ほんと?



あたしはそっと渚から手を離す。



後ろからそっと渚の顔を見ると、ちゃんと目を閉じてる。



ほっ…。



あたしは急いで服を脱いで渚のパーカーを着た。



「もういいよ」

「はあ…見たかったのに」



渚はぶつぶつそう言いながらあたしの方を振り返った。



あたしを見た渚は、座りながらあたしの手を触る。



「…お前かわいいな」

「急になに…?」



渚は立ち上がって、あたしのことを引き寄せた。



急なことにドキドキする心臓。



背の高い渚を見上げると、渚が悪戯っぽい顔で、あたしの頬に触れた。