好きを教えて、生意気なきみ

「渚はどうだったの? 見せてみてよ」

「いいよ」



そう言って渡された渚のテスト用紙は95~100点ばっか…。



やっぱり成績良いんだ…。



あたしはあれ以来ずっとキス待ちみたいな状態で悶々としたままなのに…。



「まあそう落ち込むなって。明日があんだろ」



そうだ!



明日は渚と付き合ってから初めてのちゃんとしたデート!



あたしが遊園地に行きたいと言ったら連れて行ってくれることになった。



観覧車でキスとかあるよね!



もう頭の中そればっかりだ。



そして次の日がやってきた。



今日のあたしは、オーバーサイズのジャケットにピンクのミニスカート。



前の休みのときに会ったのはお部屋仕様の服だったから、まともな私服は初めてだ。



待ち合わせ場所に行くと、すでに渚が来て待っていた。



全体的にゆったりとしたサイズ感で、カーディガンとパンツを組み合わせた渚はいつもよりなんだかちょっと大人っぽい。



渚があたしに気が付いた。



あたしは笑顔で渚に駆け寄って、渚を下から見上げた。



「お待たせ!」

「ん。…かわいいな」



そう言って渚があたしの顔に手をやって頬をなでた。



心臓がドキドキと弾みだす。



ちゅ、チューかな…?



と思って期待したけど、渚はそのまま手を下ろしてあたしの手を取った。



まあそうだよね、こんな人のいるところでしないよね…。



手をがっちりと握ったあたしは歩き出した。



わーい、デートだ!



着いた遊園地は結構たくさん人がいる。



「渚―、ここ入ろうよ」



あたしはお化け屋敷の前で立ち止まって指さした。



渚は露骨に嫌な顔。



前に文化祭で行ったときも怖がってたもんね!



あたしは怖がる渚が見たいんだよ~。



いつもバカにされてるから仕返し!



あと、お化け屋敷だったらくっつけるじゃん…?



あたしってスケベ?



まあいいや!