好きを教えて、生意気なきみ

そして次の日は離島!



『渚』の舞台だ。



この日は班での自由行動なので、茜やほかのクラスの人たちと離島を周る。



「あ、ここ絶対あのシーンの場所だー!」



小説だけどどのシーンで使われた場所だか分かる。



表現力すごいよね~。



写真を撮った。



そのまますぐ渚に送ってあげる。



『おお、すげえな! 小説まんまじゃん』

『すごいよねー』



メッセージからも渚が興奮してるのが伝わってくる。



喜んでもらえて良かった。



その日も一日いろいろと写真を撮って終了。



そして夜はこの時間…。



「今日もすごい楽しかったよー」



茜の電話タイム…。



あたし暇なんですけど!?



仕方ないから一人でテレビでも見る。



と、そのときあたしのスマホに通知が来た。



『今日また渚読み返したくなったわ』



渚からだ。



暇してたからちょうどよかった!



『ね~、あたしも。あれ今貸し出し中かな?』

『今日の放課後に俺が借りた』

『なんだ~、いいなー』



なんて他愛もないやり取りをしばらく続ける。



あ、そうだ、渚にも今日の写真ほかに色々送ってあげよう。



あたしは写真を何枚か選択して一気に渚に送った。



10枚くらいあるかな?



『おわ、めっちゃ来た』

『綺麗でしょ』

『これ冒頭シーンのところじゃね?』

『そうかも!』

『いいな、俺も行きたくなった』



渚と一緒に今日の場所行ったらめっちゃ楽しいだろうな。



『今度一緒に行こうよ』…そこまで打って、指が止まった。



あたし何言おうとしてんの!?



危ない危ない…。



全部取り消して、『今度行ってみて~』と返した。