好きを教えて、生意気なきみ

あ、茜もいないし渚のクラスにでも行ってみようかな。



「後輩がやってるカフェ行ってみます? なんか水族館カフェらしいですけど…」

「いいね、行こう」



先輩と一緒に渚のクラスに向かった。



「いらっしゃいませー。水族館へようこそー」



飼育員の恰好をした女の子に案内される。



中に入ると、シャチの恰好をした渚がコップにジュースをついでた。



ほかにも、頭にクラゲのお面をつけて白い全身タイツを履いてる男の子がお会計したり…。



面白い光景だな…。



渚と目が合ったので「やっほー」と片手をひらひら振った。



「来たか」

「やっぱ面白いね、その恰好」

「うるせえな…」



あはは、嫌そう!



シャチからジュースの入ったコップを受け取って、席に座った。



「やっぱこのくらいした方が文化祭楽しいですよね」

「そうだねー。あ、君名前なんて言うの?」

「あ、あたし、陽鞠です! 霜月陽鞠!」

「陽鞠ちゃんね。尚です、よろしく」



優しい雰囲気の先輩だな~。



良い人そう。



「陽鞠ちゃんのクラスは何かやってるの?」

「あはは、あたしたちのクラスやる気なさすぎて休憩室ですよ~」

「そうなんだ」

「尚先輩のクラスは?」

「俺のクラスは劇だって。でも直前に転校してきたからやることなくてさ~」



そうなんだ…。



せっかくの文化祭でそれはつまんないだろうな…。



お互い文化祭なのに似たような境遇でつまらない同士、ちょっとだけ仲良くなった。



うん、誘ってよかったかも!



茜、あたし渚よりも尚先輩のほうがまだあり得ると思うよ!