溺愛悪役令嬢は、転生者チートを満喫中

「イリス、今日のドレス似合ってるね」
「ありがとう。デリーも素敵よ」

 私のドレスはデリーの色である黒を基調としながらも、それをシフォンにしていることで、重さをださずに色合いだけを強調している。

 その下には、小麦の収穫の色とも言える黄金色を入れ、刺繍も同じ色で縫い取った。
 髪の毛はいつも通りひっつめ……というよりも、綺麗にふんわりアップにして貰っている。
 
 一方のデリーは、私の栗色の髪の色のコートに、私の瞳のピアスとタイピン、それにルビーを使ったボタンを縫い止めている。クラバットは華美にならないように結んでいた。

「僕は顔があまり華やかじゃないからね」
「冗談でしょ? デリーが華やかじゃなかったら、私なんてホウボウフクロウが良いところよ」

 ホウボウフクロウとは、この辺りによく出るフクロウで、愛嬌のある顔はしているが、パーツが揃っているわけではない。

「ホウボウフクロウは知恵の象徴でもあるからね。それはそれで良いかもだけど、イリスは誰よりもかわいいし、美しいよ」
「デリーは、王都よりもエーグル辺境伯家にいる方が長いから、美意識が狂っちゃったのかしらね」
「これで美意識が狂ってるなら、世間の方がおかしいのさ。エーグル家の者全員に聞いても、きっと僕が正しいっていうさ」
「わかったわ。我が家が私に激甘なのは、自覚があるの。デリーもその一人、ってことで」