テキトーに編入した高校の男女比が100:1で、しかもヤンキーだらけだった時のわたしの気持ちを答えよ。

「でもさ、守る対象がいなくてもトップになれてないのに守る対象をつくったらもっとトップが遠のかない?」

「それはほんとにそう」

「守る対象がいてもトップに立てるのって、相沢藍くらいでしょ? そのあとに続けるの?」

「続くしかないだろ、トップを超えるなら」

「それもそっか、そうだねえ」


…………鈴木真凛は腕が立つ、というのは口を挟んでから気づいたことだ。

口を挟んだその瞬間、俺は、「自分で自分の身を守れるやつとしか関わらない」という決めごとを捨てる気だった。


その主な原因――妹と鈴木真凛が一瞬重なって見えたという事実は、きっと幻覚だと言い聞かせて心の奥に押し込めた。