選ばれた、ねえ。

もともとこの席だったところに、後から編入生が来ただけだが。

……まあでも、俺が仮に危険人物であったなら、編入生の席からは離されていただろう。


「まあ。弱いだけの生き物に肩入れして弱みを作るわけにはいかないし」

「そういえば僕と仲良くしてくれるのもそれが理由だったっけ」


頷く。


「ああ。お前は何があっても自分の身くらいは守れるだろ?」

「さっすが、トップを目指すやつは違うなあ」


まあ、トップを目指してるのは、弱いだけの生き物(いもうと)が原因なんだがな――とは、口が裂けても言えなかった。