朝。

たとえ一限目が体育であったとしても、かなり余裕をもって授業に間に合う時間。

普段はギリギリ登校、どころか遅刻だらけなのだが、今日はこの時間からクラス全員が揃っている。


「おい東野! ついに今日! 今日が来てしまった!」


バレンタインデーでもなかなか無いような浮ついた空気の中、俺の席へ唯一の友人がやってきた。

浮ついているのはその友人も例外ではなく。


「お前ずーっとその話しかしてないな。botか?」

「話したくもなるだろ! だって――女編入生が来るんだぞ!」


話したいのは分からなくもない。

が、口を開いたかと思えば女編入生女編入生女編入生女編入生。

さすがに頭がおかしくなりそうだ。