気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。

開けると突然グッと強く雑に引っ張られて、ガンッと扉が閉まる音が耳に入った。
え…?今、閉められた……?
扉の方に目を向けると同時にバンッと強く蹴られたような衝動的な痛みが体中に染みて思わず目を瞑る。
次に目を開けた時、そこには委員長がいなくて、代わりに【Viper】のメンバーが集まっていた。

この人達、って…

「お、こいつが【Viper】の邪魔した女?」

やっぱり、【Viper】の人たちっ…。
というか、“邪魔をした”って……?
総長さんらしい威圧のある人の後ろにいた2人の幹部らしい左片方の人が目に映ってハッと気がつく。

「もしかして…この前の…」

この前の朝で見かけた【Viper】の幹部にいる先輩…。

「あ、気づいた?…ほんと、あんたのせいでこちとら今超最悪な気分なの」
「そ、そんなの…」
「っは、ほんとーあんた危機感ないよね。
委員長くんにポロッと騙されちゃって。まぁ俺らからしたら好都合なんだけど」

鼻で笑いながら声を放った幹部である先輩。

この後、何をされるか安易に想像がつく。
この学校に入学して早3ヶ月。
流石に空気が読めない私でも学校の雰囲気に慣れれば、そんなのすぐに分かる。
どう、しようっ…。
早く逃げなきゃなのに、足が掬われて動けない。
逃げ道が見えるのに隙も無ければ、そうさせてくれない【Viper】が目の前にいる。

「ま、いいや。あんたズタズタにすれば気済むから満足してよね」
「…っ」

こういうところが亮君達に迷惑をかけちゃうんだ。
後先考えて動かないで、その時その時って安易に楽観的に考えるところ。

『…また面倒事に突っ込んだの?』
あの呆れて冷たい亮君の顔が頭に蘇ると同時に、

『陽羽、俺ね、陽羽といると何か頑張ろって思える』
亮君の普段なら見せるはずもない清々しい爽やかな顔が浮かんだ。