気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。

放課後。
いつも早帰りの萌恵ちゃんは今日【last】の会議があって遅くなると言っていた。
それ故に、一緒に帰ることにした私達。
午後5時。
会議が終わる時間がそのくらいと言われたから、学校で今日の授業の復習をして、
萌恵ちゃん達がいる【last】の在処である学校の５階にある特別教室に着く。
もう終わったかな?
外からひょこっと顔を覗かせると、タイミングが良かったのかガタッといくつかの椅子から立つ音が聞こえ、思わず身構える。

「お疲れ様です。如月さん、煌星さん」
「皆もお疲れ〜」
「いつもありがとね♪」

教室から出てきた萌恵ちゃんと副総長である煌星柚木(きらぼしゆずき)さんが目に映って駆け寄る。

「萌恵ちゃん、会議終わった?」
「終わったよ〜。はぁあ、疲れた〜!愛しの陽羽、あたしを癒して〜!」
「ふふ、りょーかい。今日もお疲れ様」
「お!何かと思えば、陽羽ちゃんじゃん」

萌恵ちゃんと癒しの時間を過ごしていた時、後から出てきた煌星さんに声をかけられて一瞬戸惑うも顔を上げた。

「お、お疲れ様です。煌星さん」
「ははっ、陽羽ちゃんに言われると俺超嬉しい」
「げ…気色悪。あたしの陽羽に指１本触らないでくれる?」

チャラいのが特徴的な煌星さんの言い草に萌恵ちゃんは引きつった青白い顔に変えて、
煌星さんを睨みながら私を離さないと抱きしめてきた。

「げ、はねぇだろ。お前」
そんな萌恵ちゃんの行動に嫌気が差したのか普段のチャラさを捨てて言い返した煌星さん。

「だってあんた、陽羽の事落とせるとか思ってるんでしょ。だから嫌い」
「おいおい、だからって嫌いはないだろ」

2人ののやりとりに小さく微笑む。
ふふっ、仲良しだなぁ…。