気まぐれヤンキーくんのあまのじゃくな溺愛。

鳳君がそう言って指指す彼らの方を頭にはてなマークを浮かべながらチラッと様子を遠くから伺う。

「これで2勝1敗な」
「いやもう1回だ‼︎もう1回‼︎」

よく目を凝らして見てみると最近男子たちの仲で流行っている《戦隊ヒーローズ・メア》のカードゲームを中央にいる2人が勝負していた。

しかも、

「じゃあ、購買の婆ちゃんがやってる焼きそばパン5つ買ってこい。約束だろ?」
「次は絶対勝ってやるからな‼︎覚えてろよ‼︎」

負けた男子の代償は、殴り叩かれるのではなく、勝った男子が言う購買にある焼きそばパンを買いに行くこと。

……カードゲーム?焼きそばパン?
え、もしかして私早とちりした…?
というか、あの人たちが言う“喧嘩”って、か、カードゲーム?
ただでさえ頭にはてなマークが浮かんでいた私に更に訳の分からない状況が入ってきて頭がパンク状態。
そんな私に淡々と簡潔に説明して来てくれた鳳君。

「あいつらがやってたのは《戦隊ヒーローズ・メア》のカードゲームで多分前から勝負してたんだろうな。
で、今日が決勝、みたいな?てなわけで、あんたが思う喧嘩じゃない」