こじらせ美女は王子様の夢を見る






「ちょっと待ってて」






そう言ったミナは、俺の手を振り解いて、





部屋を出て行った。





うそ、だろ。





これ、俺振られた?





「まじか…」





そうだよな、出て行くなって言って出て行くってことは…





俺はソファに倒れ込む。





言わなきゃよかったか?





いや、後悔はしてないけど…





俺が言わなくても、どっちみち颯太のとこに行ってただろ。





やっと自覚したのに…





「くっそ…」





テーブルに置いてあるミナのマグカップを見たら涙が出そうになった。




お揃いって言って買ってきたんだっけ。




なんだかんだ楽しんでたな、ミナとの生活。




それも終わりか。






「…あっけな。」





…あいつらカップルかー




これからどうしよ





(ガチャ)





その時、部屋の扉が開く音がした。





無意識に反応してしまう。





立ち上がると、そこにはさっき出て行ったはずのミナがいた。





…荷物でも取りに来たか?






「何で」






そう言う俺にミナは勢いよく抱きつく。





その勢いに少しよろけた。







「好き」





「…は?」






こいつ、今なんて








「玲央が好き」








驚きで心臓が止まりそうになった。







「は、おま、え、俺振られたんじゃねーの」



「は?なんのこと?」



「いや、だって出て行くなって俺が言ったのにすぐ出て行ったから」



「それは、今颯太くんに謝ってきたの。玲央が好きだって。ちゃんと先に言わなきゃ、と思って。」



「は?なん、お前、紛らわしすぎ」







俺はミナを壊れるくらい抱きしめ返す。






「ちょ、玲央、苦し…っ」



「好き」



「……ッうん、」



「ちょー好き」



「……ちょ、わかったって…」



「こっち向いて」






そう言って顔を上げたミナは





茹蛸のように顔が赤かった。






「ふ、顔赤…」




「…もう、玲央がいっぱい言うから…っ」





顔を赤くして涙目で上目遣いでそう言うミナは、





世界で一番可愛い。






「お前そんな可愛かったっけ?」



「…は?」





ミナが俺のこと好きだって考えたら





死ぬほど愛おしくなった。





俺はミナに顔を近づける。





鼻と鼻が当たるような距離。





正直もう理性がもたない。





俺、どうやって我慢してたっけ?






「キス、していい?」




「…そんなの聞かなくていい…ッ」





顔をもっと赤くして照れたようにそう言うミナに





俺は唇を重ねた。