「この一瞬がずっと続けばいいのにね。」
放課後の教室。
夕陽に照らされた机に座りながら、私はつぶやいた。
凌くんは窓際に立ったまま、私を振り返った。
「続けてやるよ、俺が。」
その言葉が、優しい嘘だってことくらいわかってる。
私たちの時間は、砂時計のように少しずつ消えていく。
「生まれ変わったらまた巡り会えるだろ。」
そう言った凌くんの声に、私はたまらなくなって叫んだ。
「生まれ変われるかどうか分かんないじゃん。だったら……最初から出逢わなきゃ良かった。」
涙で視界がぼやける。私の言葉に凌くんは目を伏せて、ふっと笑った。
「バカだな、お前。出逢えて良かったって、俺は思ってるよ。」
その言葉がさらに胸を締めつける。
涙に濡れた凌くんの顔を見たら、私も泣きながら笑ってしまった。
「ほんと、バカみたいだよね……私たち。」
涙と笑いが交じり合う誰もいない教室で、
私たちは、ただただこの一瞬が終わらないでと願っていた。

