「俺、小食だから」


人のお弁当まで平らげる人は小食とは言わない。


昨日はしかたないから、夕食用に持ってきていたお弁当に手を出す羽目になってしまった。


「・・・」


「あれ、突っ込んでくれないの?」


眉をひそめて、誠を見つめ、再び食べだした私に拍子抜けした表情で言う。


「私、誠君のお母さんじゃないし・・・好き嫌いあっても関係ないでしょ」


小首をかしげてにっこり笑う。


「あ、そう」


「で、何が嫌いなの?」