【番外編】冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

何をさせられたのか記憶が曖昧なほど忙しく、ふらつきながらギブアップ宣言したら「お疲れ」と頭を撫でられた気がする。

とにかくとんでもない悪夢だった。

もしかしたら豹牙さんは浅ましいことを考える俺にお灸を据えたかったのかもしれない。

後から冴妃の親の話を聞いて、金銭的援助の必要がない俺が豹牙さんにお強請りすること自体お門違いだったと気づくのはまた別の話だ。





中学3年生の冬。
豹牙さんの身長を越したことを報告したときは「よかったな」と微妙な顔をしながらも撫でようとしてくれた。


その手を止めたのは俺だ。


身長は越した。

相変わらず頭は良くないし言動も豹牙さん達と比べれば幼稚が、それでも喧嘩は強くなった。

もう豹牙さんに守られるガキじゃない。


「・・・反抗期か」

「違います」


咄嗟に否定したが、本当にそうだろうか。

そんな俺の一瞬の迷いを知ってか知らずか、豹牙さんに「その言い方、冴妃にそっくりだな」と笑われた。