「確かに年齢のわりに体格がいいな」
「え、ありがとう、ございます・・・?」
突然の褒め言葉に動揺しつつ、なんだか値踏みされている気がした。
男が俺から目を離さず、試すように見ているからだろうか。
気を抜けば青とも紫とも捉えられる瞳に呑み込まれそうになる。
ややあって男が再び口を開いた。
「どうだ、俺のところに来ないか」
「っは?」
途端、頭にはてなマークが散乱した。
『俺のところ』?どういうことだ。
「一緒に【堕天】を潰さないかっていう勧誘です。もちろん強制ではないので断っていただいても構いません」
彼の言葉に付け足すように彼女が口を挟んできた。
相変わらず猫みたいな目をしている。
強制じゃないなら当然断ろうと思った。
「──やる」
だが、口をついて出たのは真逆の言葉だった。
それから3年経った。
あの時はどうして「やる」なんて言ったのか自分でも理解できなかったが、今はその選択が間違っていなかったと胸を張って言える。



