【番外編】冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

──初めて会ったから、目が離せなかった。



私立京極学園に入学して数週間が経った頃。
ようやく俺はこの学園の上下関係を理解し始めていた。

この学園は城ヶ崎悟が率いる【堕天】という暴走族が全体を牛耳っており、それに対抗する勢力が水面下で動いている・・・らしい。

正直よく分からないから傍観していようと思った。が、そう思った矢先、だるいのに絡まれた。


「お前が久我賢人だな?」


誰だお前。

片方だけ口角を上げ、高圧的に俺を見下ろしている。

取り巻きの多さから多分【堕天】の奴らだろう。それなら関わるだけ損だ。

好奇心に負けて校舎裏から帰ろうとしたのが間違いだったな。まさかこいつらが巻き構えていたなんて。

このまま無視して帰ろうとしたが、その前にグイッと胸ぐらを掴まれた。


「おい何黙ってんだ。せっかくの機会だぞ何考え───」



ゴッ



一瞬、何が起きたのか理解できなかった。