【番外編】冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

あれだけ買ったにもかかわらず、豹牙さんは何食わぬ顔で「夕飯も食ってくか」と高めなレストラン街へ行こうとしたので急いで「ファミレスに行ってみたい!」と引き止めて今に至る。


私の前に置かれているのは、ミニサイズのマルゲリータピザとシーザーサラダ。

対して豹牙さんの目の前にあるのは日替わり和風定食と追加で注文した唐揚げ3つ。

量の差は歴然だ。
男女は胃の大きさが違うからとかそういう次元じゃない。

第一豹牙さんに嘘は通じないので、取り繕うことなく答えた。


豹牙さんは不可解そうに私を見やる。


「は?じゃあもっと頼めよ。俺が払うから値段は気にすんな」

「あぁ、いえ。金銭面はもう吹っ切れたんで気にしてません。ただ──」


無意識に視線が手元に落ちる。


「私、食べるの遅いんです」


豹牙さんが首を傾げる気配がした。


「それで親に怒られたことが多々あり・・・」


一番よく怒られたのは朝食のときだ。

早く食べないと学校に遅刻するぞと何度言われたことか。