「そう。お前へのな」
「は、私?」
「お前はこれからも俺の隣にいるんだろ。だったらそれに見合った格好をしてもらわないと俺が気にする」
確かに、豹牙さんの隣に安く量産された服をまとった人なんて似合わない。
ただでさえ豹牙さんの容姿で見劣りしてしまうのに、これ以上霞んでしまっては目も当てられないだろう。
豹牙さんが「それに」と続けた。
「お前なら投資した金額以上の働きはするだろ」
「当然です」
即答すると、豹牙さんは興味深そうに目を細めた。
その瞳はどこか嬉しそうだった。
「いつも思ってたんだが、お前その量で足りんの?」
「全然」
素直に答えると、豹牙さんは怪訝な顔をした。
遡ること数時間前。
あの後私たちは何店舗か回り、ワンシーズン分の服を購入した。
途中で金銭感覚がおかしくなりかけたが、ビルから出たときに浴びた冷たい夜風によって正気を取り戻した。



