【番外編】冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

私の視線が下がったのを気にするように、豹牙さんが顔を覗き込んできた。夜空色の瞳と目が合う。


「なら、俺が貸してるアウターはどう思う」

「いいデザインだなって思います」


豹牙さんが貸してくださったコートは、当然ブカブカだったが、その割には動きやすい。デザインもシンプルで落ち着いている。

だが素材は安っぽくなく、一つ一つの部位が丁寧に作られているところからそれなりの値段がするのだろうと推察できる。

私は特に袖口が少し広がっているところを気に入った。


「あの、こういう感じの服ってどこに売ってますか?」


私の問いかけに「4階だな」と答えて再び歩き始めた豹牙さん。

その後ろに続き連れてこられたのは、シックな雰囲気に包まれたお店だった。

黒、白、グレーのモノトーンで構成されており、店内を流れる音楽は流行りのものではなく落ち着いた洋楽。

夜を連想させる空間は、確かに豹牙さん好みだ。

店に着くやいなや「レディースはあっちな」と言ってさっさとメンズコーナーに向かわれましたし。