【番外編】冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

そして遠慮がちに俺の顔を覗き込む。


「ちょうどコーヒーを淹れて映画でも観ようとしてたところなんです。ご一緒にどうですか?」


鈴の()に似た、綺麗な声。

そんな冴妃の声を聞くと、不思議と心が和らぐ。


「あぁ。そうする」と答えると、冴妃はさっそく俺の分のコーヒーを淹れ始めた。

その背中を見ながら声を掛ける。


「冴妃。特定したいのが3人いる。後で特徴は言うが、多分浬んとこの奴らだ」


ガタイ良くないから賢人のところは向かないし、秘密を守れそうにも治療が出来そうにもないから、必然的に浬のところだと推察できる。


「? いいですよ。彼らをどうするつもりで?」

「追放する」

「それって今豹牙さんの機嫌が悪いのと関係してますか?」

「あぁ」

「そうですか」


冴妃は手を止めない。
俺が誰かを追放することに異議を唱える気がないんだ。