【番外編】冷徹な総長様がただの幹部(私)を溺愛してくる

それをみっともないなと思うと同時に、こんなヤツらを冴妃が相手にするわけないと、僅かな安堵感を得る。


──一体俺はいつからそんなことを考えるようになったんだ。


そんな自身の変化に戸惑ったが、今は目の前のコイツらをどうするかが先だ。

埃のように角に集まって縮こまる奴らを見下ろす。


「もう二度と冴妃でそういう妄想すんなよ」


冷たく言い放つと、奴らは首がもげそうなほど頷いた。それを横目に学園を後にする。

これだから学園は嫌いだ。余計なものが目につく。

イライラを抱えたまま寮に戻ると、ドアを開けた瞬間落ち着きのあるコーヒーの香りが漂ってきた。


「あ、豹牙さん。おかえりなさい」


1階にある共同キッチンに冴妃がおり、俺を認めるとたたたっと駆け寄ってきた。
その様子が子猫みたいで愛らしかった。

冴妃は俺と目が合うと少し驚き、すぐにいつもの調子に戻った。
今ので俺の機嫌の悪さに気づいたんだ。