「伊藤さん、先に入っててください」 「えっ、ちょっ……」 さっき買った買い物袋を渡されて、「ちょっとこっちへ」と、坂口くんが敦史を連れて帰ってきた道を戻っていく。 私も敦史とは話したくなかったから、遠慮なく1人家に入った。 少し、心配ではあったけど。 坂口くん、また殴られたりしないかな。 ハッ……!! なんで敦史にそんなことする権利があるの?