化粧室の方向ではなく、店を出ていった南ちゃんの後ろ姿を目にして、自分も店を出る 「水嶋さん」 「お疲れ、呼んだ?」 「――あからさまにこっちを見るの、やめてください」 オイオイ、それ南ちゃんが言う? 不機嫌そうに頬を膨らませて、俺を睨み付ける でも悪いけど全然怖くないから。 「可愛いカオ」 「だったら少しは上手く立ち回ってくださいよ、伊藤さん野放しにして」 杏は猛獣か。