冬の歌集

「ある女の譜」

サビ
わたしの 人生は
最初からいままで
一体なにができただろう
もう、遅いわ

ねがうなら、ただ
静かにこのまま
死ぬ日まで穏やかに
生きていたいの

A
幼き頃母親には締め出されたまま
泣くこともないまま過ごす寒い日
預けられた先生には
虐待される日々だった

高校時代 淡い恋よせ 手を差し伸べたかった
彼は、声をかけるまもなく天使になった
20年つづけたClassic musicも
突然終わったの

B
ああ、何が幸せで
何が不幸なのだろうか
友のなかには身を堕としたひともいるけど
この世界で、気高く
優しく、正直に生きたい
今年も幸が降る、この地平にも

サビ
わたしの 人生は
最初からいままで
一体なにができただろう
もう、遅いわ

ねがうなら、ただ
静かにこのまま
死ぬ日まで穏やかに
生きていたいの