タモツは高校の同窓会に行くことにした。だが、
「よう、久しぶりだな。貧乏人」
同じクラスだった栗原がいた。
「なんだ、それ?」
「俺は有名企業で働いて、今は大きな役職に就いてるんだ」
「ふーん」
「お前は?」
「俺は……」
「どうせ、一番下か」
「そんなこと……」
「お前の嫁は? お前がそんなだから、大したことないだろ?」
すると、ほかの連中も来た。
「早く、呼べよ。お前の底辺嫁を」
「よーべ、よーべ」
「ぐ、わかったよ」
タモツはミツバに電話した。
「ミツバ、今から来れる? 同窓会に来てるんだけど。場所は」
「わかるからいいわ。今から行くわね」
少しして、ミツバが来る。
「お待たせ、タモツ」
「えっ?」
「あなたは……」
みんなミツバを見てびっくりする。
「あの有名企業の社長令嬢」
「戸田ミツバです」
「お前の嫁さんはミツバさんだったのか」
「あなたが栗原さん?」
「はい」
「今日限りであなたの会社との契約を終わりにします」
「そんな」
「誰が底辺嫁ですって? タモツだって、うちの会社の主任よ」
「えっ? お前、前の会社は?」
「やめたよ。クビ同然の扱いされたからね。ミツバに会社に来ないかと言われて入ったんだよ」
「まじか」
「そしたら、経験を買われてミツバのために開発をしたり、いろんな仕事を頼まれてね」
「で、でも、契約切ったら損害になるんじゃ」
「大丈夫よ。一つくらいじゃ困らないくらい契約してるから」
「ぐっ。そんな」
「あなた、今の年収は?」
そこに女の同級が来て、聞いてくる。
「タモツには450万プラス出来高払いをしてるわ」
「450万プラス出来高払い?」
みんな青くなる。
「主任だからな」
「社長令嬢が奥さんだと、未来の社長じゃない」
「もちろん、そうするつもりよ♡」
「ははは」
「そうなったら、身も心もタモツに捧げるつもり♡」
「うわ。すごいな」
(身も心もって)
(もちろん、体よ)
「考え直してもらうのは」
「無理ね」
「そこを何とか」
「何度言っても無理よ」
ミツバの意志は固い。
「これがばれたらうちの会社はおしまいだ」
後日、栗原の会社で上司に発覚。
「栗原、君はなんてことをしてくれたんだ! 大事な取引先なのに。契約が減り続けたら、この会社は終わりなんだぞ!」
「すみません」
「君は何もするな。私が何とかする」
しかし、結果は芳しくなく、契約してくれるところはなく、一つまた一つと契約が減っていった。
「これでは、本当につぶれてしまう。その前に君の処分をどうにかせねば。君は一番下の工場勤務に処す。このフロアには立ち入り禁止だ」
「そんな」
そののち、栗原の会社は倒産した。
「よう、久しぶりだな。貧乏人」
同じクラスだった栗原がいた。
「なんだ、それ?」
「俺は有名企業で働いて、今は大きな役職に就いてるんだ」
「ふーん」
「お前は?」
「俺は……」
「どうせ、一番下か」
「そんなこと……」
「お前の嫁は? お前がそんなだから、大したことないだろ?」
すると、ほかの連中も来た。
「早く、呼べよ。お前の底辺嫁を」
「よーべ、よーべ」
「ぐ、わかったよ」
タモツはミツバに電話した。
「ミツバ、今から来れる? 同窓会に来てるんだけど。場所は」
「わかるからいいわ。今から行くわね」
少しして、ミツバが来る。
「お待たせ、タモツ」
「えっ?」
「あなたは……」
みんなミツバを見てびっくりする。
「あの有名企業の社長令嬢」
「戸田ミツバです」
「お前の嫁さんはミツバさんだったのか」
「あなたが栗原さん?」
「はい」
「今日限りであなたの会社との契約を終わりにします」
「そんな」
「誰が底辺嫁ですって? タモツだって、うちの会社の主任よ」
「えっ? お前、前の会社は?」
「やめたよ。クビ同然の扱いされたからね。ミツバに会社に来ないかと言われて入ったんだよ」
「まじか」
「そしたら、経験を買われてミツバのために開発をしたり、いろんな仕事を頼まれてね」
「で、でも、契約切ったら損害になるんじゃ」
「大丈夫よ。一つくらいじゃ困らないくらい契約してるから」
「ぐっ。そんな」
「あなた、今の年収は?」
そこに女の同級が来て、聞いてくる。
「タモツには450万プラス出来高払いをしてるわ」
「450万プラス出来高払い?」
みんな青くなる。
「主任だからな」
「社長令嬢が奥さんだと、未来の社長じゃない」
「もちろん、そうするつもりよ♡」
「ははは」
「そうなったら、身も心もタモツに捧げるつもり♡」
「うわ。すごいな」
(身も心もって)
(もちろん、体よ)
「考え直してもらうのは」
「無理ね」
「そこを何とか」
「何度言っても無理よ」
ミツバの意志は固い。
「これがばれたらうちの会社はおしまいだ」
後日、栗原の会社で上司に発覚。
「栗原、君はなんてことをしてくれたんだ! 大事な取引先なのに。契約が減り続けたら、この会社は終わりなんだぞ!」
「すみません」
「君は何もするな。私が何とかする」
しかし、結果は芳しくなく、契約してくれるところはなく、一つまた一つと契約が減っていった。
「これでは、本当につぶれてしまう。その前に君の処分をどうにかせねば。君は一番下の工場勤務に処す。このフロアには立ち入り禁止だ」
「そんな」
そののち、栗原の会社は倒産した。


