姫は朝起きるのが苦手だ。
それ故、モーニングコールも一度や二度なんかでは全く起きないのも把握済みだ。

何度もしつこくかけて、やっと繋がった電話。

『………………………』

「もしもし?おはようっ!天音ちゃん」

『………………………』

「天音ちゃん?聞こえてる?」

『…………うん。』

「朝だよ~?起きて顔洗って用意しな?」

『…………うん。』

スマホの向こう側でバタバタ音がする。
お姫様はやっと意識が覚醒したようだ。

『お兄ちゃん、いつもありがと。起きたよ。今から用意してくるね?』

「気にしないで。俺の至福時間だから。」

『…ありがと、お兄ちゃんもお仕事頑張ってね?』

「ありがとう。じゃぁ、切るよ?」

『うん、ありがと』

ここまでが、平日の毎日のルーティン。


毎日大変じゃないかって?
全く大変ではないっ!
むしろ、この至福は誰にも譲らない!!!

あ、ごめんね?大きな声出してびっくりしたよね?