翠くんは本当に美しい子だ。
天使の輪を描く艶やかな黒髪。長い睫毛に縁取られた桃花眼と珍しいヘーゼル色の瞳。磨かれた陶磁器のように滑らかで透明感のある肌。スッと筋の通った高い鼻、やや薄く血色の良い唇。180cmを超える長身な上に手足の長い完璧なスタイル。
翠くんにはイケメンって言葉よりも、美人とか、美形とか、、とにかく「美」と付く言葉が良く似合っていた。
せっかくこんなにも綺麗なんだからもっと笑えばいいのなぁ、とあたしは常々思っている。
翠くんは表情筋が死んでいるのか、とっても無愛想で、あたしは彼が笑っているところをもう何年も見たことがない。
昔は良く笑う子だったんだけどね。
「あんたにとって、俺はいつまでも小さい子供のままなんだろうけどさ、」
低い声が耳元で囁くから擽ったくて身を捩る。
だけど、翠くんの美貌に見蕩れているうちに、あたしの身体はいつの間にか壁際に追い詰められていて逃げ場を失っていた。
「残念なことに俺はあんたの身長なんて遠の昔に追い抜いてるし、あんたなんか組み敷けるくらいに力も強くなってんの。」
「す、翠く、」
「だから、もっと危機感持った方がいいよ。羽依さん。」
どういうことなのかと、聞こうとしたけど、カプっと耳輪に痛気持ちいい刺激を与えられて「…っ、」思わず言葉を飲み込んだ。
え。嘘、翠くん…今、あたしの耳、噛んだ…?
理解した途端、顔中に熱が集まった。翠くんに抗議しようとするけど、動揺から上手く言葉が出てこなくて魚のように口をパクパクさせてしまう。
そんなあたしが翠くん的には相当面白かったようで腹を抱えて思いっきり笑っていた。そして一頻り笑い終えて満足した後、ポンっと翠くんの大きな手があたしの頭の上に置かれたと思えば
「───ははっ、間抜け面」
と、翠くんは昔のような無邪気な笑顔を見せてくれた。
天使の輪を描く艶やかな黒髪。長い睫毛に縁取られた桃花眼と珍しいヘーゼル色の瞳。磨かれた陶磁器のように滑らかで透明感のある肌。スッと筋の通った高い鼻、やや薄く血色の良い唇。180cmを超える長身な上に手足の長い完璧なスタイル。
翠くんにはイケメンって言葉よりも、美人とか、美形とか、、とにかく「美」と付く言葉が良く似合っていた。
せっかくこんなにも綺麗なんだからもっと笑えばいいのなぁ、とあたしは常々思っている。
翠くんは表情筋が死んでいるのか、とっても無愛想で、あたしは彼が笑っているところをもう何年も見たことがない。
昔は良く笑う子だったんだけどね。
「あんたにとって、俺はいつまでも小さい子供のままなんだろうけどさ、」
低い声が耳元で囁くから擽ったくて身を捩る。
だけど、翠くんの美貌に見蕩れているうちに、あたしの身体はいつの間にか壁際に追い詰められていて逃げ場を失っていた。
「残念なことに俺はあんたの身長なんて遠の昔に追い抜いてるし、あんたなんか組み敷けるくらいに力も強くなってんの。」
「す、翠く、」
「だから、もっと危機感持った方がいいよ。羽依さん。」
どういうことなのかと、聞こうとしたけど、カプっと耳輪に痛気持ちいい刺激を与えられて「…っ、」思わず言葉を飲み込んだ。
え。嘘、翠くん…今、あたしの耳、噛んだ…?
理解した途端、顔中に熱が集まった。翠くんに抗議しようとするけど、動揺から上手く言葉が出てこなくて魚のように口をパクパクさせてしまう。
そんなあたしが翠くん的には相当面白かったようで腹を抱えて思いっきり笑っていた。そして一頻り笑い終えて満足した後、ポンっと翠くんの大きな手があたしの頭の上に置かれたと思えば
「───ははっ、間抜け面」
と、翠くんは昔のような無邪気な笑顔を見せてくれた。
