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西棟1階の広いスペース。机と椅子ををお昼ごはんのために勝ち取りたくて2限終わりに茉耶とダッシュするのは恒例となっている。



無事に席を確保できたわたしは安堵からかぼーっとして、奥のほうにあるアイスクリームの自販機を意味もなく眺めていた。



べつに今は食べたいわけではないし、仮に買ったとしてもつめたくて途中リタイアしてしまう食べかけを請け負ってくれるひとはいないので諦めるほかない。




「……と、思うのね! 栞はあると思う?」




わたしに投げられた問いに、ようやくはっとして現実と無意識のはざまから引き戻された。


最後の最後しか意識に取り込まれなかったので、申し訳ないけれどもう一度教えてもらうしかない。



「ごめん、ちょっとぼーっとしてて……」


「あーもう!だから、私と南雲直くんの運命、あると思う?って話!」


「あー…………」