目の前から歩いてきたわたしの幼なじみであり茉耶のすきなひと、“なおくん”。



そう呼んだ彼女の声は耳のなかに閉じこまって纏わりつくのに、支えていた身体がわたしの腕から離れてふらふらと前方へとすり抜けてしまった。



手を伸ばした時には遅い、地面に吸い込まれそうになった茉耶の身体をわたしのよく知るやさしさで受け止めたのは他でもない、直。






「……危ないよ、大丈夫?」