止める権利はないけれど、連絡しないように見張ることはできる。ずるいわたしの意地のわるい考え。


それなのに今日に限って、つい最近と同じようなありえない偶然が降ってきてしまった。



足元がおぼつかない茉耶を支えて背中をさすりながら、居酒屋から駅いっこぶんを歩いていれば、目の前から見覚えがありすぎるすらりとしたシルエットが近づいてくるのが視界に映る。



……あぁもう本当に最悪だ。確かにいつもの公園からも彼の家も近いし、行動範囲内なのは言わずもがな。

滅多に会うことなんてまずないのに、なんでこうも偶然が重なるのだろう。



神さまは茉耶を応援しているのだろうか。わたしの代わりに。




「なお、」