茉耶がはやい段階でお酒にやられてしまうおかげで、あまり参加したくない二次会に行かなくてよくなるからいつも実は感謝している。


飲み会もアルコールも嫌いではないけれど、オールだとか飲みゲーだとか、いかにも大学生な遊びはそんなに得意ではないのだ。



あとは、最近はひとつ、茉耶が自分で言っていたお酒を飲んだときのわるい癖を止めるのが役目だと勝手に自分で任命している。




“私、酔うと元彼とかすきなひとに連絡しちゃう癖があって”




前までは思いっきり他人事だった茉耶の言葉も今は自分にいちばん近く感じている。


……直に連絡をしないでほしい、その一心。やさしい直は、きっと応えてしまうから。