低温を綴じて、なおさないで





𓍯




茉耶と一緒に参加する飲み会の日はスニーカーを選ぶ。


夜がすっかり長くなって、長袖一枚じゃ肌寒くてジャケットを羽織るようになった。





「茉耶、お水飲んで」

「ん〜〜、きもちわるい」




月1くらいで開催されるゼミの飲み会の帰り、茉耶の家まで送り届けるのは恒例となっていた。茉耶曰く記憶が飛んだりその辺で寝てしまうとかわかりやすく失敗をしたことはないけれど、とにかくきもちわるくなってしまうらしい。



飲まなきゃいいのに、とは思うけれど、アルコールを取り込む最中とその雰囲気が楽しいのはわたしも同意なので全くもって止められない。