今も昔も変わらずに、直はやさしく目を細めて笑う。
寒くて食べきれるはずないのに食べたくてたまらなくなってしまったミルクチョコレートがコーティングされたバニラバーは、食べかけのまま直のもとへと運ばれた。
代わりに差し出されたのは、ちょっぴり温度が下がってちょうどよくあったかくなったホットココア。
「えっいつ買ったの?」
「さっき」
「直のぶんは?」
「お金なくなったからいい」
「俺、アイスあるし」と寒いこの季節に不似合いなアイスを手に取って、わたしがココアを飲むのを満足そうに眺めていた。
直のせいで、寒くてもアイスを買おうって笑ってくれるひとじゃないといやになっちゃった。
𓏸𓈒𓂃



