一段と高い空の下、肌寒くなってきたこの季節、これ以上寒くなったらホットが飲みたくなるな。そしたらアルコールはひとまずは封印かな、とか考える。
寒い季節はわたしがホットココア、直は変わらずアップルティーがあったか〜いにチェンジだ。
「乾杯」
お互いの、同じ種類の缶をこつんと合わせる。いつものビールよりも心なしかタブが起きにくい。
直の手元は既に細長い指がアルミを攻略していて、口をつける一歩手前だった。
じっと見つめてしまうとわたしが水色のアルミからいじわるされていると気づかれたみたいで、黙って自分の缶をわたしに差し出す。
「固いなこれ、先飲みな」
「……ありがと」



