「おばさんたちに許可もらったら内見いこう」


「ふふ、恋人っていいなあ!」


「そうだね。でも俺は早く恋人やめたいかも」


「え?」




わたしの口からは再び、空振りのような声が出てしまう。長い時間遠回りをしてすれ違ってやっと新たに結ぶことのできた“恋人”をやめたい、なんて。


首を傾げるわたしに向けられるのは、どこまでも甘くてやさしい一直線の視線。




「早く、同じ名字にしよう」


「……っ!!」




楽しみがまたひとつ、ふたつと増えていく。きみとの思い出は一生分。


昨日より今日、今日より明日の直がすきだよ。