3回目は大学内、元々約束はしていなかったその日。


茉耶とふたりでゼミのレポートと対峙していたら、ベージュの長方形がわたしを呼び起こした。



スマホを鳴らした犯人は葉月くんで、茉耶に断ってから電話に出ると、いつもは直接聞くことしかないそのひとの声が機械を通して耳に配達された。




『今から、一緒に課題やらない?』




友達といるから、と一度は断ろうとして声をスマホの向こうへ送ろうとしたら、茉耶が察したのか、にこにこと両手でまるを作っていたので葉月くんのお誘いに乗ることにした。